男性も香水を買う時代へ|2026年美容業界の地殻変動

男性も香水を買う時代へ|2026年美容業界の地殻変動 未分類

はじめに

2026年の美容業界、なんか空気変わってきましたよね。

男性がSephoraで香水を買い、MACがChappell Roanをアンバサダーに起用し、老舗高級百貨店のSaks Globalが破産法の庇護下でひっそりと再編を進める。これらを並べて眺めると、『美容は誰のもの?』という問い自体がリセットされている感じがします。今週のニュースをまとめながら、そのあたりをちょっと深掘りしてみます。


重要ポイント1: 男性フレグランス市場の急膨張——SephoraとUltaで何が起きているか

WWDが報じた記事のタイトル、『The Boys Are, Indeed, Buying Perfume at Sephora and Ulta Beauty』は、ある意味で業界の空気を端的に表しています。『Indeed(本当に)』という一語に、かつての懐疑論への回答が詰まっている。

Sephoraは今年、男性向けアクティベーション『Next Stop, Sephora』を展開。単なるPRではなく、売場レイアウトや接客トレーニングまで含めた本格的な施策で、男性客の購買データが実際に動いたことを示しています。

Ultaでも同様の傾向が確認されており、両社のトップセラーにはCreceed、YSL、Dylanという名前が並び始めています(要確認:各社の公式売上データ)。

個人的に興味深いのは、この流れが『男性向け製品を増やした』からではなく、男性が『ジェンダーを問わない棚から自分で選んでいる』という点です。フレグランスは元々ニュートラルな領域でもあり、入口として機能しやすい。ここからスキンケア、さらにメイクアップへの導線が生まれるとしたら、市場規模の試算はかなり変わってきます。

日本への示唆
– 国内でも@cosmeやLOFTのメンズコーナーは拡張傾向。ただし米国ほど『ジェンダーフリー棚』の概念は浸透していない
– インバウンド需要との掛け合わせで、渋谷・原宿エリアのセレクトショップには先行して反映される可能性あり
– K-Beautyが先導してきたメンズスキンケア文化が、フレグランスにも波及するかどうかが次の観察ポイント

出典: WWD – Top Men’s Fragrances at Sephora and Ulta


重要ポイント2: プロとアマの垣根が消える——Allure 2026リーダーズチョイス受賞コスメ

Allureの記事が面白かったのは、読者が選んだベストコスメをプロのメイクアーティストが評価したら『ほぼ同じだった』という事実を提示した点です。記事の表現を借りると、『あなたのメイクポーチとプロのキットのベン図は、ほとんど円に近い』。

これ、実はかなり示唆に富む観察です。

ひと昔前なら、プロユースとコンシューマー向けは明確に分かれていました。プロは問屋ルート、消費者はドラッグストア。でも今は、TikTokでプロのリアルタイムレビューが流れ、DupeカルチャーがSNSで拡散し、消費者の目が格段に肥えた。結果として、プロが使うものと一般ユーザーが使うものが収束しつつある。

このトレンドの背景には、成分情報の透明性向上もあります。ナイアシンアミドやペプチドといった有効成分が共通言語になったことで、『ブランドで選ぶ』から『処方で選ぶ』へのシフトが加速している。

受賞ラインナップの詳細は記事を直接参照してほしいですが(要確認:2026年の最新受賞リスト)、注目は価格帯の幅広さ。ラグジュアリーとドラッグストアブランドが同じリストに並ぶという現象は、もはや珍しくありません。

出典: Allure – 2026 Readers’ Choice Makeup Artists Recommendations


重要ポイント3: Saks Globalの破産計画承認——ラグジュアリー流通の地殻変動

Fashionistaが伝えたSaks Globalの破産計画承認は、美容・ファッション業界への影響という観点から冷静に読む必要があります。

Saks Fifth AvenueとNeiman Marcusを傘下に持つSaks Globalが経営破綻し、その再建計画が裁判所に承認された。規模の大きさもさることながら、『なぜ今なのか』という点が重要です。

富裕層向け消費は、コロナ後の高騰を経て一巡した。一方でオンラインプラットフォームへの移行が進み、実店舗の百貨店が担っていた『体験の場』としての価値が揺らいでいる。Mytheresaのような純粋プレイヤーが拡大する中、リアル店舗を大量に抱える旧来型のデパートモデルは、コスト構造として機能しにくくなっています。

この記事に出てくるMytheresaのTiffany Hsuのインタビュー(別記事)が興味深くて、『キャリアと母親業とスタイルのバランス』という文脈で語られていますが、実はMytheresaというブランドの成長戦略そのものを象徴する人物選びでもあります。Saksが苦しむ中でMytheresaが存在感を増しているのは偶然ではない。

日本への示唆
– 国内の百貨店モデルも同じ構造問題を抱えている。高島屋・伊勢丹は対応できているが、地方の百貨店は厳しい
– ラグジュアリーブランドの日本法人が流通チャネルを再設計するきっかけになる可能性あり
– ブランド直販(D2C)への圧力が高まる中、日本のコスメブランドにとっては追い風になる側面も

出典: Fashionista – Saks Global Bankruptcy Plan Approved


クイックニュース: Chappell RoanとMAC Cosmetics

Chappell RoanがMACのViva Glamアンバサダーに就任。シェード3色のコレクションが展開予定(要確認:発売時期・価格)。

Viva Glamは収益の一部をHIV/AIDS関連の慈善活動に寄付するという長年のプログラム。Chappell RoanのLGBTQ+コミュニティとの深いつながりを考えると、ブランドと人物のアラインメントとしてはかなり筋が通っています。マーケティング戦略として見ても、『なぜ彼女なのか』がパッと腹落ちする。それができているうちは、コラボとして成立している証拠です。

出典: WWD – Chappell Roan MAC Cosmetics Viva Glam


まとめと今週のアクション

今週の3つのニュースを横断すると、一つの線が見えてきます。『誰が美容を使うか』『誰が何を選ぶか』という前提が、静かに書き換えられているということ。

男性がSephoraで香水を選び、プロと一般ユーザーが同じコスメを使い、ラグジュアリーの流通構造が再編される。これらは別々の出来事ではなく、同じ地殻変動の異なる断面です。

今週やってみてほしいこと

  • フレグランスをジェンダーで分類しているなら、一度その棚を見直してみる(販売側も購買側も)
  • 使っているコスメの処方成分を改めて確認する。ブランドではなく成分で語れるようになると、選択基準が一気にクリアになります
  • Saksの破産を他人事として見ない。流通構造の変化は、必ずブランド戦略と価格設定に影響します

本記事は2026年6月9日時点の情報を基にしています。価格・発売情報等は要確認です。


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